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学園長・学校長挨拶

学園長あいさつ

理事長・学園長 丹呉泰健

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開成学園は、1871年佐野鼎先生により創立され、今年で創立144年を迎える歴史と伝統がある中学・高校一貫教育の男子校です。

佐野鼎先生は、幕末に欧米を視察して日本の近代化のためには日本においても学問・人格とも優れた次世代を担う人材を育てることの重要性を痛感し、帰国後学校を創立されました。また、初代校長の高橋是清先生は、「学問の目的は、生徒自身が研鑽し、知識を確実に身に付けた上で、自ら思考力を働かせ、社会で実際に活用し、社会のために尽くすことにある。学問の成否は、教える人でなく、学ぶ人にある。」と説かれました。

開成学園の建学以来の教育方針は、佐野鼎先生そして初代校長高橋是清先生の精神を踏まえ、伝統である「質実剛健」、「自主自律」、「進取の気性と自由の精神」、「ペンは剣より強し」そして開成の名前の由来である「開物成務」の精神を体得し、かつ時代の変化に対応し、我が国と世界の発展に貢献する人材を養成することです。そして、開成学園は、これまで明治、大正、昭和、そして平成の四つの時代に社会のいろいろな分野で活躍する人材を輩出してきました。

開成学園の現在の生徒の姿は、運動会、筑波大附属高校とのボートレースの対校戦、文化祭などの行事を通じて見て頂ければ、伝統を守りつつ、時代の変化に柔軟に対応していることがお解かりいただけると思います。質実剛健であるが自由な雰囲気の下、運動会などの行事は生徒が自主的に責任を持って運営しています。また、目標に向かって生徒全員が一体となり立ち向かう姿さらに高校生が中学生を指導する姿を見て頂ければ、中学・高校の一貫校の良さも分かると思います。そして、開成学園の卒業生は、社会に出てからも開成という強い絆を持っています。

また今日の開成学園の教育内容が充実していることは、大学への進学率が長年極めて優秀な成績を収めていること、また数学オリンピックなどの国際大会や俳句甲子園の全国大会の好成績などからも、皆様ご承知の通りです。このことは、優秀な生徒が開成学園に入学していることに加え、先生方の教育方針と適切な指導、また優れた教育環境が大きく寄与していることは言うまでもありません。

今後とも開成学園が、引き続き私学のトップ校の地位を維持し、かつ発展させることは大事な子弟をお預かりする学校として大変重要なことと考えており、開成学園として引き続き全力を尽くしていく所存であります。同時に開成学園の教育の目的は、申し上げましたように大学進学でありません。佐野鼎先生と高橋是清先生が言われたように、知識を蓄えた上で、思考力を働かせ社会の実践に貢献できる学問、人格ともに優れた人材、開成健児を育てることです。将来の日本、そして世界においては政治、経済、文化、科学技術などいろいろな分野で大きな、場合によっては予想をしない変化があると思います。開成学園の生徒にはこうした変化に柔軟に対応できるように、そしてできれば変化を起こす人材に成長してもらいたいと願っています。このためには、学力の向上に加え、「進取の気性」、「高い志」、「自主的な取り組み」が大事であり、これらは開成学園の生活の中で生徒自身が掴むよう先生方を中心に教えています。精神も肉体も柔軟で資質に富んだ十代の若者が集まり、お互いに切磋琢磨し、学問を学び、人格を磨く機会を持つことは大変恵まれたことで、その後の人生の可能性も大きくなると思います。

開成学園は、中学・高校の男子の一貫校として、我が国の教育の最先端を行く私学として、伝統を守りつつ、新しい時代に応える教育を実践する学校として、生徒,父兄、保護者皆様の期待にしっかりと応えていきたいと思います。 (2015年5月)

未知なるがゆえの無限の可能性を持つ君へ

校長 柳沢幸雄

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開成学園で学ぶ中学・高校時代は、君の生涯にとって、まだ何も決まっていない、何も選択していない、すなわち「未知なるがゆえの無限の可能性」を持つ段階から始まる。そして自分の生涯の仕事を選択し、社会の中で果たす役割の具体像が見えてくる「既知なるがゆえの有限の可能性」を持つ段階に向けた、大きな変化の過程である。

AとBの二つからAを選択する場合、「Aを選んだ」と考えることができるし、「Bを捨てた」と考えることもできる。「選んだ」と考える人は、自分の夢の実現に向けて一歩前進したと喜びを感じるに違いない。一方「捨てた」と考える場合、選択肢が狭まってしまったことに不安を抱くことがあると思う。中学・高校時代は選択することの喜びと不安という心理的な大きな揺れを経験する時期だと言える。遥か昔にその揺れを経験した者の多くは、躍動感に溢れ、人生で最も楽しい時期だったと回想するが、大きな揺れの真っ只中で、翻弄されている若者にとっては、振り飛ばされないように必死で「手摺(てすり)」に掴っている時期だと思う。

開成学園には君達のガイド役となる3つの「手摺」がある。生徒、先生、そして140余年の歴史が培った伝統である。

中一から高三までの全生徒によって組織される運動会や生徒会・部活動を通じて、自分の夢に自分より一歩近づいている先輩に出会うだろう。暗中模索であった自分と同じように、未知から既知への過程を進んでいる後輩をかわいらしく思うことがあるかもしれない。先輩、後輩、同輩と交わる中で、自分の近未来を知り、自分の変化の軌跡を跡付け、共に成長する喜び、楽しさを発見するだろう。

10年後、20年後、あるいはもっと先の自分のイメージを描くには、開成の先生方は最適なモデルだ。入学のときから卒業までずっと担当してくださる多くの先生方から、生徒の成長のためなら労を惜しまない真摯な生き方を学ぶことができる。

君達が卒業するとき、自分の変化の軌跡を逆にたどると、遠く140余年前の開成学園創立の精神に繋がっていることを発見するだろう。「開物成務」、「質実剛健」、「ペンは剣よりも強し」で表されている建学の精神が脈々と息づく開成の伝統に、自分が育まれてきたことを知るに違いない。

生涯の仕事を自らの手で選択していくためには、暴力や圧力に屈することのない自由の精神のもとで、華美な装飾に惑わされることなく質素だけれども本質を求めることが必要だ。そのようにして選択した生涯の仕事は、校名の由来である「開物成務(人間性を開拓啓発し、人としての務めを果たす)」を自分の中に得た証となることだろう。

人としての務めを果たし、世の人のために尽くすことのできる自己を実現するために、開成学園の教室で知力を、運動場で体力を、人々との交わりの中で徳力を、日々の生活の中で生活力を磨き上げて欲しい。 (2015年5月)