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創立 150 周年に寄せて

2021 年は、開成の前身である共立学校を佐野かなえが神田淡路町に創立してから 150 周年となります。

学園長からのご挨拶

創立 150 周年記念式典

開成学園は創立 150 周年記念式典を、創立記念日の 11 月 1 日に挙行いたしました。

式典の行われた新高校校舎の体育館は椅子席で 1800 席以上は入る広さを誇りますが、昨今の感染状況に鑑みて、体育館の席は 700 席程度に抑え、参加者を高 3 生徒、高 2 以下生徒代表、過去 10 年間の理事・評議員、父母と先生の会役員、教職員などに限定いたしました。そして高 2 以下の生徒は、中学と高校の各教室へ同時放映する形で参加いたしました。

式次第は次の通りです。

  1. 開会の辞
  2. 当日ご出席の歴代学園長・校長の紹介
  3. 祝典序曲「開成」演奏
  4. 校長式辞
  5. 開成会会長祝辞
  6. 生徒代表(2 名)の言葉
  7. 校歌
  8. 閉会の辞

歴代学園長・校長の紹介

当日ご出席の歴代学園長・校長の紹介では、大黒昭元学園長、加藤丈夫元学園長、武藤敏郎前学園長、丹呉泰健現学園長、芳野俊彦元校長、柳沢幸雄前校長、野水勉現校長が紹介され拍手に包まれました。

祝典序曲「開成」演奏

祝典序曲とは、1997 年に中学新校舎落成記念コンサートとして東京クヮルテットが演奏した弦楽四重奏曲「The Kaisei」をもとに、オーケストラのために作曲家の松井拓氏(開成高校卒)によって再構築され、創立 130 周年に初演された曲です。今回、生徒による開成管弦楽団によって演奏がなされ、開成の 150 年がよみがえるかのような曲の響きが、参加した人々のそれぞれの心に届きました。

校長式辞

野水校長が、佐野鼎の共立学校創立の後、高橋是清へと校長がひきつがれ、現在の西日暮里の場所へ移転し現在へと続く開成を振り返りました。そして、現在完成しつつある校舎建築、60 年ぶりに編纂された 150 年史(昭和・大正編)、新富士駅前に建立された佐野鼎顕彰碑について語り、200 年へ向けてさらなる開成の教育のもとで人材の創出・発展を望みました。

開成会会長祝辞

開成会は、開成の OB の会で、会長の永井良三氏は自治医科大学の現学長でもあります。永井氏は、創立者の佐野鼎が学問と人格を備えた人材育成を目指し、いままで、開成が進学率だけなく、様々な人材を輩出してきたことを述べました。国の内外を取り巻く様々な問題に対し変化・変革の求められるこれからの情勢の中で、生徒たちは、研鑽を積み、開成で学んだことを生かして、日本らしい共感と思いやりのある社会を作っていくリーダーとなっていくことを期待したいことを述べ、活私開公の言葉を贈りました。

生徒代表の言葉

生徒代表の言葉では、高 3 の滝川永君と保立怜君が思いを述べました。

滝川君は、自らの例を挙げながら、開成は「してみたい」を「してみよう」にする力があり、そのフロンティア精神こそが、先輩たちが世界で活躍する根源であり、これからの新しい時代においても開成の卒業生が道を切り開いていくことを述べました。

保立君は、先輩から贈られた「一度エリートのレッテルをはがして、外へ出てみよう。レッテルがなくとも、十分やっていける資質がある」という言葉を紹介し、これからますますグローバル化で外へ出ることが求められる中で、開成の名に頼ることなく多方面に活躍できるポテンシャルのある個性あふれる仲間、先輩、後輩との出会いへの感謝の言葉で締めくくりました。

校歌演奏・記念品および刊行物

感染予防のため、校歌では合唱の CD に耳を傾けました。以上、1 時間弱の式典の中に、参加した人たちの 150 周年への思いを共有するかけがえのない時間が流れました。

なお生徒は記念品として、開成の旧校舎の門にあったエンブレムをかたどった文鎮と、表は共立学校、裏は文鎮と同じエンブレムの台紙の記念切手、創立 150 周年記念誌『有徳有藝ノ全材タル』を受け取りました。またそれらに加え、参加した招待者様・教職員には、『開成学園百五十年史 明治・大正篇』が配布されました。

開成学園 150 年史

開成学園では 150 周年を記念して、『開成学園百五十年史 明治・大正篇』および創立 150 周年記念誌『有徳有藝ノ全材タル』を刊行いたしました。『開成学園百五十年史 明治・大正篇』は、開成学園事務局にて、希望者に限定 100 部で頒布します。頒布の方法・価格は、こちらの PDF ファイルをご覧下さい。

『開成学園百五十年史 明治・大正篇』

『開成学園百五十年史』は、本校の長きにわたる歩みを史料に基づいて詳述し、近現代の歴史のなかに位置づける本格的な学校史です。2015 年から校史編纂委員会によって編纂が進められ、この度、明治・大正篇が刊行されました。明治・大正篇は、1871 年、佐野鼎が神田淡路町に共立学校を創立してから、1924 年、現在の西日暮里に東京開成中学校が移転するまでの、およそ 50 年間を、全 7 章にわたって叙述しています。過去を振り返り、開成の未来を見つめる願いをこめて編纂されました。なお、今後も続篇となる昭和・平成篇の刊行を目指して、『開成学園百五十年史』の編纂が続けられます。

創立 150 周年記念誌『有徳有藝ノ全材タル』

記念誌『有徳有藝ノ全材タル』は、開成学園の歴史を、生徒の皆さんに知ってもらうことを目的として刊行されました。明治から令和に至る 150 年の歴史を、写真を多用しながら、わかりやすく説明しています。タイトルは、生徒の皆さんから公募して選んだものです。「有徳有藝ノ全材タル」は、創立者佐野鼎が建学の精神を述べた「学範」のなかに出てくる言葉です。表紙は、2012 年に修復された初代校旗をもとにデザインされています。