数学科

内進生は中学からの6ヵ年、編入生は高校からの3ヵ年を見通したカリキュラムの大きな枠組みがあり、その中で、教材や授業展開の方法など細かな工夫を重ねながら、日々の授業を行っています。

中学

三つの学年とも、式・計算を中心とする授業と、図形を中心とする授業が並行して行われています。(名称:数学A、数学B)

<式・計算を中心とする授業>
数の計算、方程式の解法、関数のグラフの描画といった代数的な技術について日々演習を重ねていき、次第に熟達することを目指します。
日常生活で身近な自然数や 1 次式の世界から始めて、複雑な計算に関する技術が自然と身に付くように工夫して授業を行っています。

<図形を中心とする授業>
個々の図形がもつ細かな性質の理解を目指す一方で、個々の図形を統括している根源を探っていきます。紀元前からの天才たちによって築かれてきた数学の流れを踏まえ、たった数個の公理によって図形という世界が構築されていく様子や、その際に重要になる数学の厳密な論理も紹介していきます。

〈式・計算を中心とする授業〉も〈図形を中心とする授業〉も共に、2 年生、3年生になるに従い、しだいに高校の内容に踏み込んでいきます。中学3年生ではどちらの授業でも主に高校の内容を扱うようになっていき、2種類の授業の内容は互いに影響しながら、融合されていくことになります。

高校

各学年とも、二つの異なる授業(名称:数学αと数学β)が並行して行われています。

高1

中学から進学した内進生は、中学で学んできた内容に継続して、じっくりと高校の範囲の数学に取り組んでいます。
高校から入学した編入生は、高校の内容を一から始めますが、高1の終わりには、内進生と進度が一致するように、授業を展開していきます。授業時間は開成中学から進学した場合よりも週1時間多く、補講も実施しています。

高2

数学αは、全員共通の内容で、1学期は講義、2学期からは問題演習を行っています。
数学βは、1学期は全員共通で微分を学びますが、2学期からは、二つのコースに分かれます。積分の講義を受けるコース(主に理系)、問題演習などのコース(主に文系)です。
理系を志望する生徒が大学受験に必要な範囲も、高2終了時には修得済みになり、標準的な問題の解法も身に付くようにカリキュラムを工夫しています。

高3

全員共通で、問題演習中心の、高度な入試の内容に対応した実践的な授業を行っています。さらにそれとは別に、理系向けの高度な内容を講義し、問題演習を行う授業も展開されています。

特別講義

すべての学年の生徒の希望者を対象に、年に 1 回、最先端の研究をしている大学の数学者の先生を学園にお招きして、3 時間程度の講義をして頂いています。内容は、微分幾何学・微分方程式・整数論・物理数学と多岐にわたります。学校で習う数学の枠に収まらない分野に触れるとともに、実際に数学を研究している方々に直に接してもらうことが目的です。

以下に、過去のセミナーの一部を紹介します。リンクをクリックすると、講義録をご覧いただけます。

2017 年度: 有限体上の方程式を通して見る現代整数論(三枝洋一先生,東京大学大学院数理科学研究科)
2018 年度: 結び目理論の圏論化(伊藤昇先生,東京大学大学院数理科学研究科)
2021 年度: 位相的場の理論への誘い(山﨑雅人先生,東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構)
2023 年度: 組合せ論的系統学入門(早水桃子先生,早稲田大学理工学術院)

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