2026 年 3 月 10 日(火)、高 1 学年では〈ようこそ先輩〉企画の一環として、三原貴之さん(2014 年開成高等学校卒、現在は慶應義塾大学大学院薬学研究科薬学専攻博士課程に在籍中)にご来校いただき、進路選択に関するご講演と、ピアノの演奏をしていただきました。三原さんは開成中学校・高等学校に入学する前も在籍中もずっとピアノ演奏でも活躍され、現在も研究生活の中でピアノの研鑽も続けておられます。2024 年には L. v. Beethoven のピアノソナタ 3 曲(31 番 As-dur Op.110, 14 番 cis-moll Op.27-2, 30 番 E-dur Op.109)からなるアルバムをリリースされています。

ご講演では、三原さんの開成在学時から今に至るまでのことを率直に語っていただきました。教科書に載っているような基本的な学習がまず大切であること。現在の研究が世の役に立っている様子。迷ったこと、悩んだこと、うまくいかなかったこと、しかしそれがあってこその現在。自分の意志で道を選ぶこと、自分のある場所で咲くこと、必ず自分が輝けること。穏やかに力強く発してくださった三原さんの言葉の一つ一つが、きっと、生徒たちに実感を持って届いたことと思います。単に「履修科目の選択」「進学先の選択」にとどまらず、人生全体でのさまざまな「選択」に対して、先輩がみずからのたどった道筋を例に話してくれたことは、開成ならではの貴重な体験でした。
演奏プログラムは、Beethoven のピアノソナタ 31 番 As-dur Op.110 からは第1楽章、そのあと R. Schumann 作曲 F. Liszt 編曲の『献呈』、そして Beethoven のピアノソナタ 14 番 cis-moll Op.27-2〈月光〉でした。14 番は三原さんが中学 1 年生だったときに、今回と同じ場所(中学小講堂)で同級生を前に弾いてくれた曲です。18 年ぶりの凱旋演奏でした。圧倒的な技術と長年の鍛錬に支えられた、深い響き、豊かな音色、優しい歌、すべてが合わさって、音楽と人間への愛情に満ちたすばらしい演奏でした。アンコールで弾いていただいた、三原さんの師匠の杉谷昭子先生ゆかりの『カタリ・カタリ』は、若者らしい将来への希望を強く感じさせる演奏で、今回のイベントにほんとうにふさわしいものでした。

三原さんの演奏の後、高 1 生徒からも数名ピアノを演奏し、こちらもたいへんよかったです。三原さんからも温かいお言葉をいただきました。



