高1有志による「ゆるり哲学対話」

9月26日(土)放課後、UTCP(東京大学「共生のための国際哲学研究センター」)の梶谷真司教授をお迎えして、高校1年有志約15名が「哲学対話」に参加しました。
日頃の授業で「対話」の経験のある生徒たちではありますが、学校外の方をお招きするのははじめての経験でした。

対話に先立って梶谷先生からは、「今はまだ人の言うことを聞いて生きていてもいいが、50年先にはそういうわけにはいかなくなる、だから、今の君たちに、自分で考え、自分の言葉で語れる人になってほしい。そのための哲学だ」という趣旨のお話がありました。

いよいよ対話にうつり、まず皆で話し合ってみたい問いを梶谷先生が訊ねると、「善と悪はどういうことか」「なぜ生きているのか」「自分らしさとは何か」「命の重さとは何か」「哲学的に考えることに意味はあるのか」などなど、様々な問いが出され、最終的には「なぜ生きているのか」という問いが選ばれました。
「生物である以上、結局子孫を残すことが重要だ」という意見を皮切りに、「それでは子供を産まない年齢になった高齢者や結婚しない人は生きる意味がないということになってしまう」「生きる意味と生きる目標は分けて考えるべきだ」など様々な意見が語られました。

20150926ゆるり哲学対話

1時間弱にわたる対話の後、皆で対話を振り返りました。「こういう話題について興味があり考えてはいても他の人と語り合う機会はなかなかなくて楽しかった」「現代文の授業で対話をやることもあるが、考えていることを言葉で表現するのは難しいと改めて感じることができた」「もっと時間がほしかった」などの振り返りが続きました。対話の輪に加わった大学院生のOBからは「哲学対話は答えが出ずにモヤモヤするかもしれないが、その確かな手触りこそが自分自身で考えていることの証だから、その感覚を大切にしてほしい」という趣旨の話がありました。

「今後こういう哲学の活動を続けていきたいかどうか」について希望を聞いたところ、その場にいた全員が「ぜひまたやりたい」、と言ってくれました。さらに、「中心になって運営してくれる人は、この後残ってください」と声がかかると、これまたほとんどの生徒がそのまま残ってくれました。今後の展開が楽しみです。