本校では年に 1 回から 2 回程度,数学科の有志教員が「数学特別セミナー」を開催しています.これは現役の数学者の先生に講義をしていただく企画で,今年度は 10/31(金)に,青山学院大学理工学部数理サイエンス学科教授の西山享先生にお越しいただきました.

今回のセミナーのテーマは「連分数とファレイ数列をめぐって」でした.ファレイ数列というのは,たとえば「分母が 6 以下の分数を全て既約分数の形にして,小さい順に並べてできる数列」です.このような単純なルールで作られる数列ながら,ファレイ数列は「隣接する 3 つの項の両端を取って来て,分母同士・分子同士をそれぞれ足し算して分数を作ると,真ん中の項ができる」など,思いがけない性質を示します.そして講義では,ファレイ数列が連分数の計算と関連する様子や,双曲平面と呼ばれる図形の中で現れる性質が紹介され,徐々に高度な話題に進んでいきました.

参加者は生徒・教員合わせて 50 名を超え,大いに盛り上がるセミナーとなりました.難しい話題もあった中でしたが,生徒たちは講義内で現れた計算の方法について議論したり,配付されたワークシート上で計算をしたり,大変熱心に取り組んでいました.また 3 時間を超える講義の後,さらに西山先生に講義内容の質問をしたり,自身の数学的な興味についてアドバイスを受ける生徒もいました.



