7月31日に15年ぶりに火星が地球に大接近するということをうけて,8月1日(水)及び2日(木)に千葉県千葉市のイオンモール幕張新都心 グランドモール前 豊砂公園で、「幕張火星観望会実行委員会」が主催した火星観望会が行われました。我々天文気象部は運営の協力という形で9台の望遠鏡を準備して参加させていただきました。この観望会は、共催団体である望遠鏡メーカーのVixenや他の高校、大学の天文部,プラネタリウムや科学館,各地の天文同好会などの多くの団体がそれぞれ望遠鏡を持参して行われ,望遠鏡の数は2日間でのべ135台、スタッフはのべ404名、一般参加者も含めて合計5000人を上回る(主催者発表)という天体観測会としては史上空前の大規模なイベントでした。人数のカウントは天文気象部の中学生が担当しました。おもに高校生は望遠鏡の操作や説明で,中学生は会場整理や案内などで活躍しました。観望会のようすは天文雑誌「星ナビ」の10月号や実行委員会のホームページなどにも掲載されています。
そもそも「火星の大接近」とはどういうことでしょうか? 地球は火星のすぐ内側を火星より早く一周しているので,2年2か月ごとに火星を追い越し,そのときに火星と地球が近づくわけですが,地球の公転軌道はほぼ真円であるのに対し,火星の公転軌道はつぶれた楕円形になっていて太陽はその中心にないため,地球と火星が接近したときの距離は毎回異なります。そのため,火星が太陽にもっとも近づくころにたまたま地球が追い越すと「大接近」ということになり,それは7回の接近に一度,つまり約15年に一度起こります。
今回の接近の距離は約5600万km(地球-太陽間の約3分の1)で,通常時よりも火星を大きく明るく観測できる絶好の機会ということになりました。
観望会では、火星だけでなく、金星、木星、土星も観測することができ,部員が望遠鏡をそれぞれの惑星に向けて,参加者の方々に見ていただきました。親子連れで参加した方も多かったので,小さい子供たちも土星の環を見て歓声をあげていて,見せている我々としても嬉しい限りでした。
天文気象部の活動として、学校外で一般の方々に望遠鏡を見せるということや、渋谷教育学園幕張中高をはじめ多くの団体と交流するという、普段は出来ない貴重な体験ができ、とても新鮮でした。今後もこういう機会があったら参加してみたいと思います。