Stanford e-Japan 最優秀賞

高校 3 年の大西君が、Stanford e-Japan で最優秀賞の表彰を受けました。以下、大西君のレポートです。

――――――――――

この 3 月 Stanford e-Japan 秋コース― Stanford 大学・国際異文化教育プログラム (SPICE) 提供のオンラインプログラム―を完走し、加えて最優秀賞を頂くことができました。このプログラムは柳井正財団の支援を受けており、日米関係や現代社会について日本各地から選ばれた高校生 30 名と毎日のように議論を重ねる半年を送りました。

前半の 3 か月では、第二次世界大戦期の日米関係といった歴史的テーマから、シリコンバレーと起業、アメリカの教育制度、人権・核問題などの現代的課題まで幅広く扱い、Stanford 大学の教授陣や専門家、時には大使を迎えたライブ講義を、毎週アクティブ・ラーニング形式で受講します。帰国子女でも長期留学経験者でもない僕にとって all English 環境は脳の別回路を動かすような感覚でしたが、視野を広げ、思索の深度を増す貴重な経験でした。

後半の 2 か月半では、各自が独自に設定したテーマについてアメリカ社会や日米関係の観点から調査を行い、研究論文としてまとめます。僕自身は「米ドルの地位と国際通貨の展望」をテーマに研究を進め、戦後の世界復興を支えた基軸通貨としての米ドルの役割が終焉を迎えつつある現状を分析。国家や投資の流れと距離を置く、新たな国際通貨システムの展望を示しました。プログラム修了後にアメリカが相互関税を発表し国際貿易秩序が揺らぐさまを現在進行形で感じながら、国際経済のプラットフォームを再構築する必要性を改めて実感しています。

混沌とする現代社会を俯瞰すると、解決策を語ること自体が空虚に思える瞬間もあります。しかし、より良い未来を信じて行動する人々の姿に触れたことは大きな希望となりました。自らの comfort zone を飛び出し挑戦する覚悟を新たに、この夏 Stanford 大学での授賞式に参加し研究論文を発表してきます。