中1の生徒が参加する水泳学校が、7月23日(日)から29日(土)までの7日間に亘り、館山市の那古海岸・那古宿舎にて行われました。
前期(23日~25日)・中期(25日~27日)・後期(27日~29日)、いずれも好天に恵まれましたが、特に日中は7月とは思えないような真夏の暑さが感じられる日々が続きました。中1生たちは伝統の白色の褌を締め、じりじりと照りつける強い日差しを体全体に浴びながら、指導員の助手(すけて)の方々から熱い指導を受け、日本泳法を習得していきました。
練習中、大体30分に1回は水分補給の時間がありましたが、海風は吹いているとはいえ猛暑だったこともあり、毎回お茶をおかわりする生徒が結構おりました。
練習の開始前と終了後には休憩時間が充分に確保され、生徒はゆったりと自由なひと時を過ごすことができたようです。学校を出発する際に生徒は携帯電話やスマートフォンを回収されましたので、生徒が大好きなスマホでのゲームをすることはできませんでしたが、部屋の中ではトランプに興じる者、友達とじゃれ合う者、また大声で突然叫び出す者、ボートレース応援歌をなぜか裏声で歌い出す者など様々な生徒がおり、終始賑やかで楽しそうに過ごしておりました。
夕方には、房総の海に臨む宿舎から美しい夕焼けや富士山を望むことができ、また早朝には美しい朝焼けを見ることもでき、それらを眺めながら海岸を散歩する生徒もたくさんおりました。
1日目の開校式にて、助手の皆さんの紹介がありました。令和4年卒から昭和48年卒までの助手の方々が自己紹介をされ、生徒たちも水泳学校の伝統とOBの層の厚みを実感できたのではないかと思います。
水泳の指導中、助手の皆さんは大きな張りのある声で中1生たちに色々と指示を出されておりました。生徒が練習の途中でトイレに行きたくなった際には、必ず宿舎の入口まで付添いをされました。そして、練習の合間に会話に興じる中1生たちを見守る優しい眼差しも、とても印象的でした。
助手の皆さんの中には大学生もおり、大学のテストの合間を縫って当日の午後から参加し、翌日にはテストのために東京に戻った方、助手の不足を補うためにお昼に来てその日の夕方に帰った方、またこの時期にテストが行われない授業を予め選択しておいて、水泳学校の全日程を助手に専念できるようにしてくれた方もおりました。実は今紹介した3名は、いずれも以前私が担当した学年の教え子たちで、在校生時代よりも心も体も大変立派になり、本当に頼もしく感じました。
彼らも含めたOBの皆さんには、大学や仕事等でお忙しい中、後輩のために、また開成学園の行事の成立のために助手として尽力していただき、本当に感謝の気持ちしかありません。
また、水泳学校の委員の先生方の中にも、終業式の翌日から水泳学校の準備のために現地に赴き、後期日程の最終日までの長期間に亘り、現地にて尽力された先生もいらっしゃいました。
そんな皆さんのおかげで、無事に生徒たちは水泳学校を終え、学校へと戻ることができました。ちなみに私が引率をした中期の生徒は、帰りのバスの中でもまだまだ余力のある子が結構おりました。実は那古宿舎に滞在中、生徒は消灯時間に就寝はできていたものの、一部屋あたり25名程度の大部屋(合計4部屋)という慣れない環境下で、夜になっても気温はそれほど下がらず、「寝苦しかった」と漏らしていた生徒も結構いたため、疲労や寝不足できっと帰りのバスは静けさに包まれるだろうと予想しておりました。しかしながら思いのほか元気な子が多く、中にはトランプで大いに盛り上がる者もおり、正直驚かされました。元気でタフな生徒が多いのも、この学年の生徒の特徴かもしれません。
来年度以降も、水泳学校が通常の形で安全に実施されることを心より願っております。そして今年度の中1生の中から将来、立派な助手になる者が多く輩出され、後輩のために、そして水泳学校の成立のために貢献してくれることを、中1学年の担当として期待したいと思います。